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介護現場の事務負担軽減を!規制改革推進会議答申を解説 | 業界ニュース

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目次


政府の規制改革推進会議は2021年6月1日、デジタル規制改革事項を取りまとめた今年度の答申を菅義偉首相に提出しました。

今回の答申では、介護事業者の間接業務の負担を軽減するための国の取り組みについて「成果を挙げるまでには道半ばの状況である」と厳しく評価しています。


そもそも規制改革推進会議の答申とは...?

規制改革推進会議は2016年から内閣府に設置されている、内閣総理大臣の諮問に応じる審議会です。常設の機関として各分野の専門家が集められており、現在の規制改革推進会議は2019年10月に設置された組織です。

日本の経済成長を阻害するような規制や制度を見直し、時代のニーズに合った規制改革を実行するための"答申"を8か月ほどかけて取りまとめて、総理大臣へ提出しています。

"答申"とはつまり意見を述べることですが、規制改革推進会議の答申で取り上げられた事項はすべて「規制改革実施計画」として閣議決定し、速やかに実行されるべきだとされています。

「規制改革実施計画」を実行するのは各省庁となるため、本来の趣旨に沿った形で改革事項が実施されているかどうか、規制改革推進会議はしっかりとフォローアップしていくとしています。


前回20年7月・介護分野の答申は

介護職は2025年におよそ38万人不足すると見込まれています。

ところが介護サービスの実施に欠かせない公的書類が自治体ごとに様式が違っていたり、自治体と事業者間などでの書類のやりとりがオンラインでなかったり、紙での書類保管が煩雑になっていたりするなど、介護現場では事務作業に多くの労力が割かれ、大きな負担となっているのが現状です。

そのため前回の介護分野の答申では、介護現場に大きな負担となっている事務作業をいかに減らし、少ない人材が本来の業務に時間を使えるようにするかという点に焦点が当てられました。

事務作業を減らして介護現場の生産性を向上させるため、前回答申では具体的に以下のような事項が盛り込まれました。

[前回答申・介護サービスの生産性向上のための主な実施事項]

  1. 書類に関する見直し
    (ケアプランなど行政へ提出する書類の簡素化・標準化・ICT(注)の活用など)
  2. 申請やデータのオンライン化
    (全国共通の電子申請・届け出システムの整備、介護事業者間でのデータ連携の環境整備)
  3. 電子署名の導入
    (介護利用者のケアプランへの同意を、署名捺印から電子署名などへ)
  4. 書類のデジタル化
    (書類のデジタル保存と書類の保存期間の明確化)

(注)ICTとは:「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略。通信技術を活用したコミュニケーションを指します。


今回21年6月・介護分野の答申は

今回の2021年6月の答申では、前回(2020年10月)の答申内容が実行されているかの検証が重点的になされています。

前回の答申を受けて厚生労働省では21年3月に、介護分野の書類を半減するための取り組み状況を報告しました。介護事業者の保有するケアプランなどのデータのデジタル化についても、連携システムの構築方針が示されています。

参考:厚生労働省「介護分野の文書に係る負担軽減について」

こうした国の取り組みを認めつつも、規制改革推進会議は介護現場の負担を減らす改革は道半ばであるとして、さらに継続的に取り組むよう求めました。

また夜間の業務負担軽減や人手不足への対策として、ICT導入だけでなく、ロボットやAI技術を導入することで業務効率を図れないか検証するように指示しました。


編集部コメント

今回の答申は、日本のデジタル化が他国に比べ遅れている危機感から、特にデジタル時代のための規制改革にフォーカスした内容となっています。

圧倒的な人手不足が予想される介護分野では、介護ケア業務に専念できる環境づくりが急がれています。 その有効な打ち手として、国は介護現場・行政のデジタル化を強く推進していこうとしています。

介護現場が新型コロナ感染対策に苦慮する中、ICTの必要性を痛感する場面も多かったことでしょう。

これからの数年で介護現場のデジタル化が進み、ロボットなどが導入されれば、介護職の方々の働き方も大きく様変わりしていくはずです。

利用者やその家族へ寄り添うことにたくさんの時間を使えるようになれば、介護の仕事はこれまで以上にやりがいのある職務となっていくのではないでしょうか。

規制改革推進会議の答申やフォローアップがどんな経過をたどっていくのか、バイトルPROは今後も注目し、読者の皆さまに情報をお届けしていきます。

参考:規制改革推進会議「規制改革推進に関する答申~デジタル社会に向けた規制改革の「実現」~(令和3年6月1日)」
参考:規制改革推進会議「規制改革推進に関する答申 (令和2年7月2日)」


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