厚生労働省は2021年6月15日、他業種から介護職を目指す方への新たな「就職支援金」制度について、関係団体へ通知しました。

対象者へ「就職支援金」として20万円を貸し付けし、一定の条件を満たせば返済が免除となる新制度です。

介護職への転職を考えているなら知っておきたい「就職支援金」。今回発表された制度の概要とあわせて、復職者向けの「再就職準備金」も紹介します。

厚労省が発表した、介護職への「就職支援金」制度とは？

他業種・他職種から介護職に就く人を増やすため、以下の要件を満たした方に対して「就職支援金」最大20万円の貸し付けが受けられる制度です。

2021年度の「地域医療介護総合確保基金」の事業の一つ（注）として、実施されることになりました。

「え...、貸し付けって、20万円をいずれ返さないといけないの？」と思われた方もいらっしゃるでしょう。

その心配は無用です。

介護職として２年間継続して働けば、全額が返済免除となります。

（注）介護分野の就職時は「地域医療介護総合確保基金」の事業となり、障害福祉分野での就職時は「生活困窮者自立支援補助金」に基づく事業となります。

この制度の実施は、各都道府県に任されています。いつから・どうやってこの制度を利用できるのかについては、各都道府県の「地域医療介護総合確保基金」担当部署へお問い合わせください。

参考：厚生労働省・事務連絡「令和３年度に実施する新たな介護人材確保対策事業について」

介護職の復職はさらに手厚い！最大40万円の「再就職準備金」

過去に介護職として働いていたけれど、何らかの事情で現在は介護職から離れている方に向けての支援制度もあります。

こちらはさらに手厚く、「再就職準備金」として最大40万円が貸し付けされます。

「貸し付け」とはありますが、やはり２年間継続して介護職として働けば、全額返還免除となります。

この制度を利用できるのは、以下１~４をすべて満たす方です。

４がやや複雑で「利用計画書」などとありますが、このあたりの実務運用は都道府県が別に定めているようです。

詳しくは、お住まいの都道府県の公式サイトなどをご覧ください。詳細な要件や手続きが詳しく案内されています。

東京都：東京都社会福祉協議会「離職介護人材再就職準備金貸付事業」
大阪府：大阪福祉人材支援センター「介護・福祉 応援貸付金」

参考：厚生労働省「離職した介護職員の皆さまへ　～再就職準備金のご案内～」

まとめ

ここまで介護職未経験の方向けの「就職準備金」や、復職したい方向けの「再就職準備金」について紹介しました。

「就職準備金」の具体的な運用はこれからとなるため、バイトルPROマガジンでは引き続きウォッチして情報をお伝えしてきます。

さて、太っ腹ともいえるこうした制度が設けられた背景には、深刻な介護職の不足があります。介護関係職種の有効求人倍率は2021年3月時点で 3.31 倍と、他職種に比べて高い状況が続いています。

介護職に長く安心して働いてもらうため、職場環境や待遇を改善しようと、政府は国を挙げて取り組んでいます。

産業構造が変化しつつあり、コロナ禍で先行きが見通しにくくなっている中でも、介護の需要は確実に増えています。

介護職は見通しの明るい仕事といえるのではないでしょうか。

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