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高卒で介護士になるには?介護福祉士を目指す方法やキャリアアップの選択肢を解説

  • 業界・資格ノウハウ

目次

「介護士として働いてみたいけど、高卒でも大丈夫かな?」。介護の仕事に関心はあるけれど、学歴の不安から一歩踏み出せないという方もいるのではないでしょうか。

介護士は昨今の社会情勢からニーズが高まっており、求人数も多く安定して働くことができる仕事です。主婦の方や働くことにブランクのある方が社会復帰するとき、介護職を選ぶことも少なくありません。

この記事では、高卒でも介護士になれるのか、介護福祉士を目指す方法やキャリアアップ方法などについて詳しく解説します。



高卒で介護士になるには?

高卒の方であっても、介護職として働くことは十分可能です。介護業界では学歴に関係なく、未経験・無資格の方でも積極的に採用しているところも多いため、希望に合う求人が見つかればすぐにでも働くことができるかもしれません。

介護職に就くのであれば、将来的に介護福祉士の資格取得を目指すのがおすすめです。介護福祉士は介護系で唯一の国家資格で、大学や専門学校へ行かなくても資格取得できる方法があります。

無資格でも働き続けることはもちろんできますが、資格があるほうが収入面やキャリアアップの面で有利です。厚生労働省が行った調査によると、無資格者と介護福祉士資格保有者の平均月給は約5万円の差があることがわかっています。

介護士と介護福祉士の違いや介護職の収入面に関しては、こちらの記事も参考にしてください。
介護士と介護福祉士の違いは?介護福祉士の資格取得の方法について
介護業界の職種・資格別の給与ってどれくらい?資格やスキルで収入アップを目指そう!
介護士の平均給料は?介護職の年収の上げ方について

次からは、高卒から介護福祉士を目指す方法について詳しく説明していきます。

参考:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」



高卒から介護福祉士になる方法

介護福祉士の資格を取得するためには、介護福祉士国家試験に合格しなくてはなりません。誰でも受験できるわけではなく、定められたルートで受験資格を得る必要があります。

受験資格を得る方法として、下記の4つのルートが設けられています。

  • 実務経験ルート...一定の実務経験と研修の受講で受験資格を得るルート
  • 養成施設ルート...高等学校等卒業後、介護福祉士養成施設での教育を経て受験資格を得るルート
  • 福祉系高校ルート...福祉系高校を卒業して受験資格を得るルート
  • 経済連携協定(EPA)ルート...介護福祉士になるための研修を受けながら就労しているインドネシア、フィリピン、ベトナム出身の方向けのルート

このうち、高卒の方が選択できるのは「実務経験ルート」と「養成施設ルート」になります。それぞれ詳しくみていきましょう。


実務経験ルート

実務経験ルートは、3年の実務経験+実務者研修の受講で介護福祉士国家試験の受験資格を得るルートです。以前は実務経験のみで受験資格を得ることができましたが、平成28年度(第28回)国家試験から実務者研修の受講が必須となりました。

実務経験は「従業期間3年(1,095日以上)かつ従事日数540日以上」と定められています。従業期間とは対象となる事業・職種での在職期間のことで、産休や育休、病休などの休暇は含まれません。従事日数は実際に介護などの業務を行った日数のことで、1日に働いた時間数は問われません。

実務者研修は、各地域にある養成施設等で行われています。研修期間は原則として半年以上で、一度修了すれば何度でも国家試験の受験が可能です。実務者研修の詳細については、こちらのページに問い合わせ先がまとめられているのでご確認ください。

実務経験ルートは働きながら資格取得が目指せるため、経済面での負担を軽くすることができます。学費や生活費に不安のある方は、実務経験ルートで資格取得を目指すのがおすすめです。

参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「受験資格 実務経験ルート」


養成施設ルート

養成施設ルートは、介護福祉士養成施設を卒業することで国家試験の受験資格を得るルートです。養成施設ルートは、高校等を卒業した後4つに大きく分けられます。

  • 高校卒業後、直接介護福祉士養成施設へ進学(2年以上)
  • 福祉系大学等を経て介護福祉士養成施設(社)へ進学(1年以上)
  • 社会福祉士養成施設等を経て介護福祉士養成施設(社)へ進学(1年以上)
  • 保育士養成施設等を経て介護福祉士養成施設(保)へ進学(1年以上)

平成28年度までは養成施設を卒業すれば、国家試験を受験しなくても介護福祉士の資格を得ることができました。しかし今後は、介護福祉士の資質向上を目的に国家試験の完全義務化が予定されており、現在はそれに向けて経過措置が取られている段階です。

そのためこれから資格取得を目指す方は、養成施設をいつ卒業するかによって資格取得方法が異なります。

令和8年度までに卒業

令和8年度までに卒業すれば、国家試験を受験しなくても、あるいは国家試験を受験して不合格であっても介護福祉士になることができます。

ただし卒業後5年間の期限付きとなっているため、期限が過ぎたら介護福祉士を名乗れなくなってしまいます。その後も資格を継続するためには、新たに国家試験を受験して合格するか、5年間の実務経験(継続勤務のみ)が必要です。

令和9年度以降に卒業

令和9年度以降になると、国家試験の合格が必須になる予定です。もし養成施設で学ぶことを検討しているのであれば、早い方が資格取得には有利です。令和8年度までに卒業を目指すのであれば、2年制なら令和7年度までに、1年制なら令和8年度までに養成施設へ入学する必要があります。

ただし、国家試験の義務化に向けての経過措置は延長が続いており、今後変更される可能性も否定できません。入学を検討する時点で、制度についても確認しておくと良いでしょう。

養成施設ルートでの資格取得は期間も費用もかかりますが、必要な知識や技能をしっかりと学べるというメリットがあります。いきなり現場で働くのが不安という方や、基礎をきちんと学びたいという方などは、一度入学を検討してみてはいかがでしょうか。

介護福祉士の資格取得方法や仕事内容については以下の記事をご覧ください。
介護福祉士の取得方法は?介護業界で役立つ資格をご紹介

参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「受験資格 養成施設ルート」



資格取得後もキャリアアップ可能

介護福祉士の資格を取得した後は、さらにキャリアアップを目指すことも可能です。ここでは、介護福祉士の方がキャリアアップする際の選択肢をいくつかご紹介します。


施設長を目指す

介護福祉士からキャリアアップする方法として、施設長などの管理職を目指す方法があります。

役職には限りがあるため、希望しても必ずなれるというわけではありませんが、前任者の退職や新規事業所オープンなどでチャンスが巡ってくる可能性はあります。

信頼して任せてもらうことができるよう、日々真摯に仕事に向き合うことが大事だといえるでしょう。


新たな資格を取得する

医療介護分野には、介護福祉士以外にもさまざまな職種の方が活躍しています。その中には、介護福祉士から目指せる資格もいくつかあります。

サービス提供責任者(サ責)

サービス提供責任者は、訪問介護事業所に配置が義務付けられている職種です。訪問介護の利用者が適切なサービスを受けられるよう、訪問介護の計画を立てたり、スタッフへの指導を行ったりする役割があります。

正確には資格ではないものの、誰でもなれるわけではありません。サービス提供責任者になるには、複数ある資格要件のうちいずれかを満たす必要があります。そのうちの一つが介護福祉士の資格です。

認定介護福祉士

認定介護福祉士は、介護福祉士のキャリアアップのために創設された民間資格です。資格取得によって、介護の知識や技術をより深め、リーダーとしての資質や他職種と連携する能力などを養うことができます。

資格取得のためには合計600時間の研修を受けなくてはなりませんが、現場で担える仕事の幅は広がるでしょう。

参考:一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構「認定介護福祉士とは」

ケアマネジャー(介護支援専門員)

介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護が必要な方のケアプランを立てたり、介護事業所や自治体などと連絡調整を行ったりする職種です。現在は都道府県知事が認可する資格ですが、国家資格化を目指した活動が行われています。

介護福祉士のほか、医師や看護師、社会福祉士などの職種で5年以上の実務経験がある方が資格取得を目指すことができます。ケアマネジャーになると、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターなど、活躍できる場所が広がります。

詳しくは各都道府県ごとの情報をご確認ください。
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護支援専門員」

生活相談員

生活相談員は、特別養護老人ホームやデイサービスなどの老人福祉施設を利用している方が快適な生活を送れるよう、相談を受けたり必要な援助をしたりする職種です。ご本人やご家族、ケアマネジャーや主治医等と調整しながら、必要な支援を検討します。

生活相談員という資格は存在しませんが、誰でもなれるというわけではありません。基本的には社会福祉士か精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格のいずれかを取得した方のみが就くことができます。

ただし自治体によっては介護福祉士やケアマネジャーなどの資格を持つ方も対象となります。ご自身が働く自治体ではどのように運用されているか、一度確認しておくと良いでしょう。

看護師

看護師は医師の診療の補助や、療養している方に必要な援助などを行う職種です。医療機関はもちろん、介護施設でも活躍しているため、介護福祉士として働き始めたらその姿を目にすることが増えるでしょう。

看護師になるためには3年制の短期大学や専門学校、4年制大学などで学ぶ必要があります。学費や学ぶための期間など資格取得までのハードルは高いですが、キャリアの選択肢は幅広くなります。

参考:公益社団法人 日本看護協会「看護職を目指す方へ」

リハビリ職

リハビリ職は一般的に、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の3つの職種のことをいいます。

理学療法士は立つ、座る、歩くといった基本動作の維持・回復や障害の悪化予防を目的にリハビリテーションを行う職種です。運動をしたり、電気や温熱を使った機器を用いたりしています。

作業療法士は、運動や認知機能などの心身機能から、生活に必要な食事や排泄、着替えなどの基本的な動作、就学・就労に必要な能力の維持・回復に向けたリハビリテーションを行います。

言語聴覚士は言葉によるコミュニケーションや、食べ物を飲み込む機能に問題がある方を専門とするリハビリ職です。

いずれも国家資格で、受験資格を得るためには大学や専門学校などの養成校で学ばなくてはなりません。

参考:公益社団法人日本理学療法士協会「理学療法士とは」/ 一般社団法人日本作業療法士協会「作業療法士ってどんな仕事?」/ 一般社団法人日本言語聴覚士協会「言語聴覚士とは」


独立開業を目指す

介護福祉士としての経験をもとに、自ら介護サービスを提供する事業所を開設する方もいます。

人材や資金の確保などが必要なため容易ではありませんが、理想とする施設を作って介護サービスを提供できるという点では、魅力的な選択肢といえるでしょう。



介護士として働くメリット・デメリット

介護福祉士は体力的にも精神的にも大変だと思われがちですが、大きなやりがいが得られる仕事でもあります。ここでは、介護福祉士として働くメリットとデメリットについてご紹介します。


メリット

介護福祉士をはじめとした介護の仕事は、高齢化の進行に伴ってますますニーズが高まっており、将来的にも安定して働けることがメリットです。人手不足の状態が続いていることから常に求人があり、職を失う可能性も低いと考えられます。

大変さはありますが、やりがいや充実感を感じられる場面も多くあるのが介護士の魅力です。利用者の方と関わる中で、ご本人やご家族から感謝を伝えられることがあります。その言葉から、自分がその人の支えになっている、必要とされていると感じられ、仕事に対するモチベーションも上がるでしょう。

ご家族にとっては介護士の存在があるからこそ、安心して仕事をしたり、自分たちの生活を送ったりすることができます。介護士が利用者さんを支えることは、間接的にご家族も支えていることにもなるのです。人の役に立つことや喜んでもらうことが好きな方にとって、介護の仕事はやりがいのある仕事だといえます。

介護の仕事を続けていると、達成感を得られる瞬間も多くあります。時間がかかっていたケアがスムーズにできるようになったり、利用者さんがやりたいことを叶えられたりなど、努力や継続したことが形になったとき、「介護の仕事をしていて良かった」と感じることができるでしょう。


デメリット

介護の仕事には大きなメリットがある一方で、デメリットを感じられることもあります。

まず、入浴介助や移動介助など体力が必要な場面が多くあることです。体力に自信のない方は、慣れるまでに少し時間がかかるかもしれません。

次に老人ホームなどの入居施設では遅出や早出、夜勤などのシフトがあるので、プライベートとの両立が難しいことも挙げられます。これについてはデイサービスなど日勤のみの職場もあるので、就職時に検討すると良いでしょう。

また介護の仕事は他の職員との連携・協力が必要なので、職場の人間関係がうまくいかないことがあるかもしれません。しかし訪問介護であれば、現場では基本的に1対1での介護なので、職員同士で関わる機会が少なくなります。その分、人間関係の課題も生まれにくいでしょう。



まとめ

介護の仕事は学歴に関係なく目指すことができますが、収入やキャリアアップのことを考えると資格があったほうが有利です。未経験で就職して、働きながら介護福祉士などの資格取得を目指すことも可能です。

新たに介護職に就く人向けに「就職支援金」を支給する制度が新たに設けられたり、自治体が資格取得を支援する制度を整えていたりと、国・自治体としても介護士として働くことや資格取得を後押ししています。

資格取得をバックアップする制度が整っている職場もありますので、まずはどのような職場があるのか調べるところから始めてみてはいかがでしょうか。



ライター 小松亜矢子
地域看護に関心のあるライター。看護師の資格を持ち、地域でコミュニティナースとして活動中。


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