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転職回数は進化の軌跡。56歳で新たに踏み出す訪問介護の道

  • インタビュー

目次

44歳で初めて介護の世界に入り、2種類の施設介護を経て、訪問介護へ。

56歳になってもなお新しいステージに挑戦し続ける山口さんが語る「介護は転職をポジティブにとらえてもらえる希少な職種」の真意とは?



こんな方にお話を聞きました!


プロフィールの写真

―――普段のお仕事内容を教えてください。

山口さん:訪問介護の介護職です。サービス提供責任者としての雇用契約ですが、訪問介護は未経験なのでこれから少しずつ仕事を覚えていけたらと思っています。

―――「訪問介護は未経験」ということは、ずっと施設介護のほうに?

山口さん:はい。今年の1月末まで施設介護に携わっていて、グループホームで約7年半、ユニット型特養に3年半ほどいました。介護職自体の経験は来年の2月で丸12年になります。



もっとできることを増やしたくて


山口さんの笑顔の写真

―――介護職をスタートされたのはいつですか?

山口さん:44歳の頃です。それまでは介護とはまったく関係のない仕事をしていたんですが、リーマンショックで仕事がなくなってしまいまして。当時はまだ子供も小さかったので、とにかく稼がなければと。必要に迫られてとりあえずホームヘルパー2級の資格を取りました。最初にグループホームで働き始めたのも、たまたま求人が出ていてご縁があったからというだけで。

―――本当にゼロからのスタートだったのですね。ユニット型特養に転職されたのには何か理由があったのですか?

山口さん:当時51歳でまだ体力的にも余力があったので、もう少し自分に負荷をかけてもいいのではないかと思ったのが一番の理由です。グループホームは基本的に身体の症状が安定している方の生活の場なので、身体介助や排せつ介助などの機会はほとんどありません。同じ「施設介護」であっても、施設の種類によって身につくスキルや得られる経験が違うので、もっとできることを増やすには転職するのがいいだろうと思いました。

―――そこからなぜ今度は訪問介護に?

山口さん:...正直、施設介護に飽きちゃったんですね(笑)

―――飽きちゃったんですか(笑)

山口さん:毎日同じ利用者さんと同じスケジュールに沿って同じことを繰り返す感じだったので。じゃあ他に何があるかな?と考えたときに、次はもう訪問介護しかないと。最初はエージェントさんにお願いして2社ほど訪問介護の会社を紹介してもらったんですけど、職場のノリが合わなかったり自宅から近すぎたりして、あまりしっくりきませんでした。

―――ご自宅から職場が近いのは良いことのようにも思えますが...?

山口さん:利用者さんがほぼお隣さんみたいな感じなんです。休みの日に目の前を同僚が通ったりして、私にはON/OFFの切り替えがちょっと難しかったですね。

―――確かに、そこまで近いと気持ちが休まりませんね。

山口さん:そうなんです。もっと他にいいところがないかと探していて出会ったのが紙ふうせんでした。

―――どのようにお仕事探しをされましたか?

山口さん:検索エンジンで「世田谷区 訪問介護」とか「世田谷区 デイサービス」で検索したら紙ふうせんが出てきて、その求人広告の元をたどっていったらバイトルPROに行きついたので、そこから応募したという感じですね。バイトルPROからは他にあともう1件訪問介護の会社に応募しました。それと並行してエージェントさんからも2件ほどご紹介いただいて内定をもらったりもしていました。

―――その中で紙ふうせんにした決め手は何でしたか?

山口さん:レスポンスがとても早かったというのは大きかったです。応募から1時間も経たないうちに電話がかかってきました。

―――ちょっとびっくりするほどのスピード感ですね。採用担当の佐々木部長にお伺いしますが、なぜそんなに早くお返事できたのでしょうか?

佐々木部長:バイトルPROって応募が入るとメールで教えてくれるじゃないですか?もちろん業務でバタバタしているときは時間をおいての返信になりますけど、そのときはちょうど落ち着いていたタイミングで通知が来たのですぐに返信メールを打ち始めたんです。でも途中で「オンタイムで応募通知が来てるんだから、今電話しちゃったほうが早くないか?」と気づいて。メールをやめてその場で電話して、面接の設定をして...という感じでした。

―――神がかり的なタイミングの良さでしたね。実際にお会いになってみていかがでしたか?

佐々木部長:山口さんが面接で言われていたことの中でとても印象に残っているのが、「施設では自分たち介護職がホームで、利用者さんがアウェイ。一方で、訪問介護は利用者さんがホームで我々がアウェイなんです。利用者さんのお宅にお邪魔する"邪魔者"として伺うので、いかに邪魔をしないでうまくやるかが大切だと思うんです。」という言葉でした。その通りなんです。

もちろん施設介護も利用者さんに最大限配慮した介護サービスを行っていると思いますが、やはり集団生活の場ということもあって、どうしても介護する側が主体のサービスになってしまいがちです。でも残念ながらそこを意識できている介護職員は意外と少ないのが現状で。紙ふうせんとしては「利用者さんの思いを尊重する、利用者さんが主役の居宅介護」をモットーにしているので、この山口さんの言葉を聞いて「あぁ、この人ならしっかりやってくれるに違いない」と思いましたね。



目指すは「空気みたいな存在」


佐々木部長と山口さんの写真

インタビューに同席する佐々木部長(右)。気さくな人柄に山口さんもリラックスモード。

―――実際に訪問介護に携わってみて、いかがですか?

山口さん:まだ1ヵ月ほどですが、もう毎日が初めての経験みたいなものですね。同じ利用者さんでもそのときどきの心身の調子が違えば、こちらもそれに合わせた接し方が必要になるので。常に初心忘れるべからずでやっています。

―――希望通りの「変化に富んだ日々」を手に入れられたのですね。今はどんな利用者さんをご担当されていますか?

山口さん:既存の利用者さんも何件か行かせてもらっていますし、新規契約から携わらせていただいた方も1名いらっしゃいます。

70代前半ぐらいのひとり暮らしの男性で、仮にAさんとさせていただきますが、ご本人は介護サービスはいらないとおっしゃっているけど、その方のかかりつけの病院からは「物をなくしたりしているので、家の片付けなどのサポートをしてあげて欲しい」と要望が来ているというケースでした。とりあえず顔合わせということで佐々木部長といっしょに伺ってみたら...いわゆる「非常に掃除のし甲斐がある状態」で。

―――施設介護ではできない経験ですね。サービスを受けることに難色を示しておられたということは、打ち解けるのも大変だったのではありませんか?

山口さん:まずきちんとお話しさせていただくところから始めました。「我々はあくまでお手伝いであり、生活の主役はAさんです。物を勝手に捨てたりしませんし、掃除をする時は必ず『これどうしましょうか?』と相談させていただくので、ご協力お願いします。」とお伝えしたら、Aさんも「じゃあ来てもらおうかな」という雰囲気になって。我々が掃除を始めたらAさんも自ら掃除機を取り出していっしょに作業してくれました。

―――思ったよりスムーズに関係性を築けたのですね。

山口さん:佐々木部長が一貫して「散らかっているのではなく、Aさんがご自身のルールにのっとって整えた部屋なんですよね。でもおひとりだとキレイにし切れない部分もあると思うので、お手伝いさせてください。」という姿勢でコミュニケーションを取り続けたおかげでAさんも安心してくれたんだと思います。

2回目以降は私が1人で担当させてもらっていて、先週もAさんのところに行ってきたんですけど、好きな歌手の話になったその流れで2人でいっしょに歌うたって帰ってきましたよ。

―――完全に仲良しですね。

山口さん:もしかしたらAさんはきちんと話を聞いてくれる存在を欲していて、たまたま私がそこにちょうどよくハマったということかもしれません。「ひとり上手」と「孤独」は違うのでね。ひとりの時間を満喫されているのか、寂しいけど言い出せなくて我慢しているのかをきちんと見極めて、孤独にはさせないようにするというのは、施設・訪問に関わらず私たち介護職の大切な仕事のひとつかなと思っています。

―――今後の目標はありますか?

山口さん:利用者さんのストレスにならない訪問介護員でありたいですね。誰でもそうだと思いますけど、例えば洗濯物の畳み方とか食器を乾かすときの重ね方とか、自分の家の独自ルールを乱されるとなかなかのストレスだったりしますよね。

訪問介護は利用者さんの生活の場に文字通り「お邪魔」するわけですから、そのお宅のルールを尊重するのはもちろん、安全や衛生の観点からルールを変える必要がある場合も利用者さんが納得できる形で進めなくちゃいけないと思うんです。そういう意味で「利用者さんのストレスにならない訪問介護員であること」が目標です。最終的には、いるんだかいないんだか分からないような、いい意味で「空気のような存在」になれればいいなとは思ってますけどね。



介護は転職をポジティブにとらえてもらえる希少な職種


山口さんが自転車をこぐ写真

―――介護業界でプロとして歩んでいこうとしている方々に向けて、ご経験に基づくアドバイスがあれば、お願いできますか?

山口さん:食わず嫌いせずにとりあえず飛び込んでみることが大事だと思います。「グループホームは認知症の方ばかりで大変そう」とか「特養は夜勤があるからキツそう」「訪問介護は移動が多そうで体力がもつかどうか...」なんて声があったりしますけど、やってもみないで自分の可能性を閉じてしまうのはもったいないと思うんです。まずは飛び込んでみて、とにかくやってみる。合わなかったら辞めて他を探せばいいんですから。

―――確かにそうですが、日本はまだ転職回数の多さをネガティブにとらえられてしまう風潮も根強いですよね。

山口さん:介護業界に関しては、実はそうでもないんです。さっきも話が出たように、同じ介護でも施設の種類によって身につくスキルや得られる経験が異なるので、他の職種に比べると人材が流動的ですし、スキルアップや自分に合う職場を求めての転職はそれほど珍しいことではないんです。

―――そうなのですね!知りませんでした。

山口さん:だから、まずは目の前にある、ご縁のあった施設なり求人なりにポンと行ってみたらいいと思います。そして、合わなければまた別のところを探す。介護はそれが許される希少な職種だと思いますよ。

―――ありがとうございます。他にはありますか?

山口さん:「何事も遅すぎることはない」というのは言えると思います。私も介護の道に入ったのは44歳のときでしたし。あとは...あ!「訪問介護なら自宅の近くはやめよう」これはもう本当に、経験に基づくアドバイスとしてぜひ参考にしていただきたいと思います(笑)



編集部コメント

「合わない職場はあったけど、介護職を辞めたいと思ったことはないんですよね。それが自分でも不思議なんです。仕事が楽しい...というのもちょっと違うし。まぁでも、決して楽ではないけど、誇れる仕事です。」とも語ってくれた山口さん。

仕事について「楽しいかどうか」を軸に語られることも多い昨今ですが、本当はそれほどシンプルなものではないし、だからこそプロフェッショナルの道は追求し続けるに値するものなのかもしれないと、改めて気づかせていただいた思いがしました。

バイトルPROもそんなプロフェッショナルを志す方々の一助となれるように進化してまいります。


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