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美容師の勤務時間はどれぐらい?長時間労働なのか徹底調査

  • お金・法律・制度

目次

美容師は、勤務時間が長いイメージがあるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。また、営業中だけではなく、営業時間の前後にはどのような仕事をしているのでしょうか。労働基準法での取り決め、労働が長時間化しやすい理由について見ていきます。


美容師の勤務時間の内訳


美容師の勤務時間の内訳の写真

美容師の勤務時間は、営業時間内だけではなく、営業前や営業後も含みます。では、1日を通してどのような仕事をしているのでしょうか。

実際の労働時間はどれぐらい?

労働基準法では労働時間の原則として以下のように定めています。

■第32条(労働時間)※一部抜粋

  • 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
  • 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

上記の通り、通常、1週間の法定労働時間は40時間ですが、一部の業種で常時使用する従業員(アルバイト・パート含む)が10人未満の場合は、法定労働時間が週44時間と定められており、理美容業はこれに該当します。

また、6時間を超える労働には少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間が労働時間の途中に必要です。さらに、時間外労働は、原則として月45時間、年360時間が上限となります。

臨時の場合は、1か月あたり原則45時間を超えるものは6カ月までと規定されており、店によって就業規則が定められています。その内容は、労働基準法に基づいており、もし個人事業主が就業規則を定めていない場合は、労働基準法に従うことが必要です。

では、実際に美容師の労働時間はどれくらいなのでしょうか。
仮に、営業時間が10~19時の場合は、9時半に出勤、休憩時間は1時間、片付けなどにより20時頃に終了となるケースが一般的でしょう。この場合、実際の労働時間としては9時間半になるため、残業が1時間半、週に2日休む場合、時間外労働は月30時間前後となります。

ただ、美容師は休みが取りづらく、1日の労働時間がこれよりも長いため、時間外労働時間はさらに長い可能性があるでしょう。

参考:労働基準法(労働時間)

営業時間内の勤務状況

8時間を超える場合には、休憩は、就業時間中に1時間取るように決められています。しかし、その日の混み具合などで休憩が取りにくくなったり、短くなったりすることも少なくありません。さらに、昼食中でも他に人がいなければ、電話の対応や、来客の案内をしなければならないということもあります。

営業開始前の仕事内容

開店の30分〜1時間前に出勤をして、営業開始の準備を行います。タオルや備品の確認、店内清掃などの作業を行なった後、当日の注意点などをチェックし、情報をみんなで共有するためのミーティングを行います。また、サロンによっては開店前に練習をする場合もあります。

営業終了後の仕事内容

閉店した後は、店の後片付けがあります。レジの締め作業や、清掃が主な内容です。中には、カットモデルにお願いしてカットを行なうケースもあるでしょう。また、技術をアップするために勉強会の開催やカットの講習が行なわれたり、当日の反省を行なうためのミーティングが開催されたりもします。

さまざまな仕事が重なると、「閉店から3時間経ってようやく帰ることができる」というケースもあり得るのです。


労働基準法での取り決め


先述のとおり、労働基準法を前提として、経営者が勤務条件を決定します。しかし、中には労働基準法 違反になりかねないケースも少なくありません。

残業代の支給

規定された法定労働時間を超えた分は、割増賃金を支払うことが必要です。しかし、中にはあらかじめ残業が想定される場合に、その残業代を固定給として支払うといった、みなし残業制を取り入れているケースもあります。

また、営業時間内だけを勤務時間として記録させるケースがありますが、これは正しい労働管理の仕方とはいえません。先述した、営業前や営業終了後に行なっている作業は当然、勤務時間の対象です。

早朝出勤の扱い

残業は、終業時間よりも後に行う作業のイメージが強いかもしれません。しかし、始業時間よりも早く出社し、作業をした場合も時間外労働の対象です。開店前の準備以外にも、開店前の早い時間に予約が入り、対応を行った場合も、時間外労働としてカウントできます。


労働が長時間化しやすい理由と改善策


労働が長時間化しやすい理由と改善策の写真

これまで説明してきた内容から、美容師には1日の労働時間が長いうえに、休みも取りづらいため、膨大な仕事量があるように感じる人もいるかもしれません。ここでは、美容師の労働時間が長い状況が、なぜ常態化しているのかを説明します。

スキルアップ

さまざまな人に合ったカットを研究していくためには、骨格や顔のつくりなど、豊富な練習が必要です。美容師は、自分のスキルを向上させるため、仕事を通じてだけではなく、練習を繰り返すことで技術を磨いていきます。そのため、営業時間外にウィッグを使って練習をしたり、場合によっては同僚や先輩、モデルの方にお願いして実際の髪をカットしたりもします。

カットモデルも自身で探してくる必要があり、そこにも労力が割かれます。また、コンテストや大会に参加するため、毎日夜遅くまで特訓を行なうことで、帰るのは夜中といったことも多い傾向です。

これらは、すべて営業時間外に行なわれますが、いわば自己啓発の一環として扱われるため、労働時間としてカウントされないことが少なくありません。しかし、労働時間とは、指揮命令下にある時間を指します。練習することが命じられていたり、仕事の一環に含まれていたりする場合はその分も労働となり、残業の対象です。

ムダな作業がないか見直す

人数が限られているにも関わらず、営業時間も短縮できない状態で労働時間を短縮させるためには、効率を上げるしか方法がありません。個人ができることは、スキルアップで対応するしかないですが、限界があります。そのため、個人単位ではなく店舗全体で効率を上げるための仕組みを作ることが重要です。

例えば、POSシステムの導入により、レジや会計事務の効率化を図ったり、人数を多く雇ってシフト制を組んだりすれば、長時間労働を未然に防ぎ、効率アップが期待できます。

また、マニュアルを作成し、作業を定型化するのも改善策の1つです。どの人でも作業ができるようにすることで、特定の人に仕事が偏る状態を改善することができ、シフトも組みやすくなるでしょう。

進む働き方改革

深刻な社会問題を解決するため、国では「働き方改革」を推進していますが、美容師の業界も例外ではありません。

店での拘束時間を減らすことはもちろん、有給休暇の取得促進などによる労働環境の改善や福利厚生の充実が実現すれば、作業の効率化を上げることにつながります。また、営業時間と勤務時間は同じではないため、営業時間の前後に行った作業も労働時間に含めたうえで、しかるべき残業代や給与を支払うことが必要です。

当然、法律で決められた労働時間内であっても、健康を害するような労働を強いてはいけません。働く側にとっては、ワークライフバランスの実現により、仕事の時間だけではなくプライベートの時間を充実させることで、働く意欲が湧いてきます。
おのずと、接客の質や生産性の向上につながり、制度や環境が整うことでいい人材も採用できるかもしれません。

また、経営者側にとっても従業員満足度を高めることにつながり、離職率の低下や、人手不足による機会喪失を防ぐことが期待できるでしょう。


まとめ

ここでは、美容師の勤務時間の長さが、実際にどれぐらいなのか、何に労働時間を費やしているのかなどを説明しました。かつて、美容師業界は、長時間労働が常態化していると言われていました。しかし、近年の働き方改革によって、勉強会が残業に含まれたり、作業が効率化されたりするなど、改善の方向へと向かっています。

労働環境の改善に力を入れているお店もあるため、現在の職場に不満がある場合は、このような観点で転職先を探してみてもよいでしょう。

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