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看護師の離職率は11.5%(新卒8.6%)|看護師の離職率・転職率は高い?

  • 退職・辞め方

目次

医療の現場で診療を補助する看護師は、生活において欠かせない存在です。国家資格の取得は簡単ではありませんが、需要が高く、さまざまな病院・施設で求められています。

しかし、その一方で、業務内容や夜勤などの勤務形態の過酷さから離職率が高い職業と思われることも少なくありません。

この記事では、看護職員の労働状況を調査した公益社団法人日本看護協会の「2020年 病院看護実態調査」を踏まえながら、看護師の離職率や離職率が高いとされる理由などを解説します。

参考:公益社団法人日本看護協会「2020年 病院看護実態調査」

※当記事で紹介する離職率のデータには、看護師の他にも保健師・助産師・准看護師も含まれております
※当記事での「離職率」は職場を辞めた割合であり、看護師を辞めた割合ではありません



看護師の離職率


看護師の離職率

公益社団法人日本看護協会の「2020年 病院看護実態調査」によると、2019年度の正規雇用看護職員の離職率は11.5%と、前年度に比べ0.8%増加しました。

細かく見ると、新卒採用者の離職率は8.6%(前年度比 0.8%増)、既卒採用者(看護職経験者)の離職率は16.4%(前年度比1.3%減)と、看護職経験者のほうが高い傾向にあります。

しかし、過去10年間の離職率を比較すると、正規雇用者のなかでも新卒採用者の離職率は年々増加傾向であるのに対し、既卒採用者は減少傾向にあります。

厚生労働省の「2019年 雇用動向調査結果」によると、一般労働者の離職率は11.4%のため、看護師の離職率は決して高い数値とはいえないでしょう。

ただし、離職率は病院ごとに差があり、離職率がとても高い病院もあれば、非常に低い病院もあります。そのため、身近な看護師の方に働いている病院の離職率を聞くと、人によって数値が大幅に異なることも多いでしょう。

なお、このデータは2019年の結果なので、新型コロナウイルスの影響は受けていません。2020年~2021年は新型コロナウイルスによる影響で、離職率が高まっていると予想されます。



病院の規模(病床数)別の看護師の離職率


病院の規模(病床数)別の看護師の離職率

看護師の離職率は、病院の規模(病床数)が小さいほど高い傾向にあります。2019年の99床以下の正規雇用看護職員の離職率は13.5%で、内訳として新卒採用者が14.8%、既卒採用者が23.1%です。

正規雇用看護職員全体の離職率が11.5%(新卒採用者8.6%、既卒採用者16.4%)であることを考えると、高い数値といえるでしょう。

反対に、病床数が400~499床の規模が大きな病院の離職率は、正規雇用看護職員が10.0%で、内訳として新卒採用者が7.6%、既卒採用者が10.6%です。正規雇用看護職員全体と比べて、かなり低いことがわかります。



病院の種類(設置主体)別の看護師の離職率


病院の種類(設置主体)別の看護師の離職率

病院の種類(設置主体)別の内訳は、正規雇用看護職員の離職率が高い順に、個人(20.3%)その他公的医療機関(17.7%)済生会(14.9%)医療法人(14.4%)です。特に、個人経営の病院では既卒採用者の離職率が31.9%と圧倒的に高く、公立の医療機関と比べると約20%もの差がありました。

反対に、離職率が低かったのは、公立の医療機関や日本赤十字社の病院です。正規雇用看護職員の離職率を見ると、公立の医療機関が8.5%日本赤十字社の病院が9.4%という優れた数値を残しています。



都道府県別の看護師の離職率


都道府県別の看護師の離職率

都道府県別の正規雇用看護職員の離職率を見ると、東京都が最も高く14.9%、次いで千葉県が14.3%兵庫県が14.2%となっています。

反対に、岩手県は5.6%、秋田県が6.7%、山形県・富山県・鳥取県・島根県・徳島県が7.4〜7.5%と離職率が低いため、都市部のほうが高い傾向にあることがわかります。

しかし、新卒採用者と既卒採用者それぞれの数値を見ると、新卒採用者が3.1~12.7%、既卒採用者が5.4~26.8%とバラつきが大きく、都市の規模による相関関係は見られません。

特に高い数値を示した都道府県として、新卒採用者は愛媛県(12.7%)香川県(12.2%)、既卒採用者は和歌山県(26.8%)奈良県(23.1%)が挙げられます。



看護師の離職率が高いとイメージされる理由

統計を見ると看護師の離職率は決して高いわけではありませんが、高いというイメージを持っている方は多くいます。その理由の一つとして考えられるのが、慢性的な人材不足によって起こる多忙さです。

看護師の有効求人倍率は、厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、月によって変動するものの2~3倍と高い数値で推移しています。これは、1人の看護師に対して2~3の病院が求人を出している状態です。

全業種の有効求人倍率を見ると2019年は1.6倍、2020年は1.18倍であるため、看護師の有効求人倍率は高く、業務量に対して人材が足りていないことがわかります。

慢性的な人材不足は、看護師の業務の過酷さをより助長するでしょう。人員が少なくなることで1人あたりの業務負担が多くなり、それを原因とした離職によってさらなる人員不足に陥る悪循環が発生することも少なくありません。

これらが、看護師の離職率が高いというイメージにつながっている可能性は大いにあるでしょう。



看護師の離職率が低い病院はある?

もちろん、なかには看護師の離職率が低い病院もあります。

ここまで紹介してきた離職率の数値を見ると、病床数が99床以下の小規模な病院では離職率が13.5%と高い傾向にありますが、病床数が300床を超えると11.8%となり、病院勤務の看護師全体の離職率(11.5%)とほぼ同じになります。

病床数の多い病院であればそれだけ確保している人員も多いため、1人の業務負担が過多になりにくいのかもしれません。

また、設置主体別の離職率を見ると、国立・公立病院や赤十字病院などの病院は8.5~10.2%と低い数値になっています。国立・公立病院や赤十字病院などは規模が比較的大きいだけでなく、キャリアアップによる転職が起こりづらいことも離職率を下げる要因となっているのでしょう。

つまり、国立・公立病院や赤十字病院のように規模の大きな病院ほど、看護師の離職率が低いということがいえます。



まとめ

看護師は離職率が高いといわれていますが、全体の統計としては他業種とあまり変わりません。しかし、病院の規模や地域によって、離職率に大きな差があるのも事実です。職場環境や働きやすさも異なります。

現在、人材不足に陥っている病院が多く、看護師は引く手あまたの存在です。もし、看護師を辞めたい、違う病院に転職したいと考えているなら、理由によっては無理して働き続けず、転職を選ぶのも一つの方法でしょう。

以下の記事では、辞めたい理由別の対処法と後悔しない転職先の選び方を紹介しているので、こちらも参考にしてください。

看護師を辞めたい...理由別の対処法と後悔しない転職先の選び方


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