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元泌尿器科看護師が「泌尿器科あるある」を解説!

  • 業界・資格ノウハウ

目次

マイナーなイメージのある泌尿器科。泌尿器科は尿や性器など、デリケートな部分を扱う診療科です。泌尿器科の病気は「恥ずかしい」という気持ちから、受診をためらう患者さんも少なくありません。

しかし、命にかかわる病気や、痛みをともなう病気も多く、患者の心理に配慮した看護師の関わりが重要です。泌尿器科看護師はどのような仕事をしていて、どのようなスキルが身につくのでしょうか?

元泌尿器科看護師の筆者が、「泌尿器科あるある」をもとに解説します。



泌尿器科ってどんな診療科?元泌尿器科看護師が解説

泌尿器科は尿路系の病気、男性生殖器、女性の骨盤内疾患など幅広い領域の専門です。小児から高齢者までのすべての年齢が対象で、内科・外科を問わず、さまざまな病気を担当します。

外科的な治療、内科的な治療では、それぞれ以下のようなことを行います。

[外科的な治療]

  • 日帰りでおこなえる包茎手術や経尿道的前立腺手術
  • 内視鏡で行う手術
  • 手術時間が十数時間におよぶ膀胱摘出手術などの開腹手術
  • 腎臓移植
  • がんや腫瘍などの摘出術
  • 尿路結石の砕石術

[内科的な治療]

  • 慢性腎臓病やIgA腎症などの腎臓病
  • 尿路感染症や膀胱炎、腎盂腎炎などの感染症 
  • がん
  • 前立腺肥大

泌尿器科で扱う術式は内視鏡・開腹・経尿道的と幅広く、ほかの診療科よりも幅広い術前・術後管理が経験できます。

さらに、がんの化学療法や終末期ケアを必要とする患者も多く、急性期から慢性期、回復期まで学べる数少ない診療科です。大学病院や総合病院だけでなく、泌尿器科クリニックもあるため、ライフスタイルに合わせて働くことができます。



泌尿器科あるある~患者編~

泌尿器科について、みなさんはどのようなイメージを持っていますか?

「男性患者さんが多そう」「泌尿器科ってちょっと恥ずかしい」。これらの印象は、実際の現場と大きく異なっています。

ここからは、元泌尿器科看護師の経験をもとに、泌尿器科の患者さんあるあるを紹介します。


ADLが自立している患者が多い

泌尿器科を受診する患者さんは、ADLが自立している患者さんが多く、寝たきりや全介助の患者さんは内科系病棟に比べるとあまり多くはありません。とくに、短期入院の患者さんは、入院によってADLが低下する前に退院します。

そのため、整形外科や脳神経外科の患者さんに比べ、移乗や食事介助といったケアが少ない傾向がありました。移乗が多い内科系の病棟で、ぎっくり腰になった私には、一番腰にやさしい病棟のように感じられました。

ただ、これはあくまで一例で、病院や患者の疾患によるため「働いてみると違う!」というケースもあるかもしれません。


高齢の患者が多い

泌尿器科疾患は年齢を重ねた人ほど増える傾向にあります。とくに、前立腺疾患や尿失禁は、多くの高齢者が抱える悩みです。

高齢の患者が多いのはイメージ通りかもしれませんね。

全体的に年齢層は高いものの、やはり身の回りのことは自分で行える患者さんが多いです。


女性の患者も多い

男性患者が多いイメージのある泌尿器科。しかし、泌尿器科には女性の患者も多く、がんで長期入院しているケースもありました。

女性の大部屋はいつも明るく、おしゃべりに花が咲いていました。看護師も話に加わり、ケアよりもおしゃべりの時間が長くなることもしばしば。

時には、実の娘のように食事や日常生活の心配をしてくださる人もいて「お母さんがたくさんいるような雰囲気」の大部屋もありました。



泌尿器科あるある~看護師編~

泌尿器科の看護師はほかの診療科と比べてどのような特徴があるのでしょう?
元泌尿器科看護師の筆者が感じた泌尿器科あるある看護師編を紹介します。


自己紹介がうまい

泌尿器科の手術では侵襲の少ないものも多く、開腹手術と比較し入院期間が短い患者さんが多いです。

そのため、患者さんの入れ替わりが激しく、数日間休んでいると、知らない患者さんばかりになっていることが当たり前。

毎日「はじめまして、担当の○○です」と挨拶してばかりだったので、いつのまにか自己紹介がうまくなり、人見知りだった私も患者さんと話をするのが苦痛ではなくなりました。

このスキルは、外来に異動した今でもすごく役にたってます。


「尿」のプロが多い

みなさんのイメージ通り、尿のありとあらゆることに詳しくなれます!なぜこの人は尿がたくさん出るのか、出ないのか...。普段なにげなくトイレに行っていた自分が、尿に関心を持つようになったのは泌尿器科にいたからこそ。

看護師はなかなかトイレに行けず膀胱炎になりがちですが、きちんと水分をとっていたら予防できることも、泌尿器科で働いてから知りました。

内科系外来に異動しても、周囲で膀胱炎になってしまった看護師には、水分をとってこまめにトイレに行くように促しています。ちょっと変な先輩ですかね?


看護師の性格のバランスが良い

泌尿器科には、外科系に多い、明るくてサバサバした看護師が多かった印象があります。しかし、内科系に多い、じっくり関わる看護師もいて、すごくバランスがよい診療科でした。

私は明るくてサバサバして、仕事をどんどん進めていくタイプ。じっくり関わるタイプの看護師と一緒に働いていて、すごく視野が広がり、良い経験ができました。いまの自分がいるのは、あのときの経験のおかげです。


さまざま科を経験した先輩の話が聞ける

泌尿器科では内科・外科どちらも担当するため、さまざまな診療科から異動してきた先輩がいます。

多様な視点と専門知識を持つ先輩と一緒に働くと、看護師として視野が広がり、とても勉強になりますよ。



泌尿器科あるある~業務編~

泌尿器科の業務は、ほかの診療科と違う点があるのでしょうか?泌尿器科の仕事ならではの「あるある」を紹介します。


手術が多い

私が勤務していた泌尿器科病棟では、毎週10件以上の手術があり、複数の術後の患者さんを受け持つことも少なくありませんでした。

手術によっては、手術室から直接病棟に戻り手術後の看護を行ったり、時には、集中治療室を経由し病棟に戻ったりと、さまざまな周手術期看護を経験できました。

術後のドレーンや輸液管理、痛み止めの投与など、やることが多く慣れないうちはパニックになりそうでした。

しかし、いつのまにか「末梢静脈ライン2~3本、ドレーン5本、尿カテーテルに酸素くらいなら、おまかせ!」と思えるくらいになっていました。人って、意外と強くなれるものみたいです。


尿の処理が多い

泌尿器科の患者さんの多くが、一定時間ごとの尿の量や性状の確認が必要です。血が出ていないか、濁っていないか、量が少なかったり多すぎたりしていないかを確認します。「尿」から得られる情報はとても多く、また治療のためにも尿の観察は重要です。

頻繁に尿の処理をしていると、一日の多くの時間、マスク・フェイスシールド・ガウンといった感染予防の防護具でフル装備に。

夜勤中に尿処理をしているときに、トイレに行く患者さんと廊下ですれ違うと、かなりの確率で「ビクッ!」と驚いていました。フル防護具のナース、夜中に会うとびっくりしますよね。。


IN/OUTバランス(水分出納)の計算が多い

膀胱留置カテーテルの管理や畜尿をおこなっていると、IN/OUTバランス(水分出納)の管理は欠かせません。特に、術後の患者さんに対しては徹底する必要があります。

私が泌尿器科で働いていた頃は、担当している患者さん全員のIN/OUTバランスを計算しなければならず、計算するのが大変でした。

夜勤で担当する10人が全員尿カテーテルの時の、計算は地獄!ラウンドごとのおむつ交換や排尿誘導、トイレコールがないのはとても楽。

良いところも、大変なところもあるのが尿カテーテル管理なのです。

「計算が苦手だから泌尿器科は向いていない」と思う人もいるかもしれません。しかし、IN/OUTバランスの計算は新人教育でしっかり教わり、毎日実践することで必ずできるようになるので、安心してくださいね。


内科・外科どちらも経験できる

やはり、泌尿器科は内科・外科のどちらも経験できるのが強みです。「内科・外科のどちらに向いているかわからない」「内科・外科のどちらも経験したい」という方にはおすすめです。

とくに、経尿道的な手術は泌尿器科でしか経験できないので、興味がある方はぜひ泌尿器科を希望してみてくださいね。その分、勉強や課題の辛さから、何度も「辞めたい」と思ったこともあるので、それなりの覚悟も必要です!

でも、「あのとき頑張ったから、異動しても苦労しなかった」とも言えるかもしれません。



まとめ

泌尿器科ならではのあるあるに共感いただけたでしょうか。
これから泌尿器科で働いてみたいと考えている方には、泌尿器科にはさまざまな患者さんがいること、その中で働く看護師にみられる特徴について知ってもらえたら嬉しいです。
また、泌尿器科は外科・内科を問わず多くの手術や治療に関わることができるのも大きな魅力です。幅広い経験が積めて、キャリアアップや転職もしやすい"おすすめの診療科"です。ぜひ、バイトルPROでお仕事を探してみてくださいね。


ライター 小田あかり
大学看護学部卒業後、小児科・腎臓内科・循環器の最前線で勤務。現在も看護師として働きながら、ライターとしても精力的に活動中。保健師、呼吸療法認定士、糖尿病療養指導士の資格も持つ。


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