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看護師の資格を種類ごとに解説!キャリアアップに役立つ資格も紹介

  • 業界・資格ノウハウ

目次

医療機関や介護施設などで活躍する看護師。身近にいる看護師の影響を受けたり、病院などでお世話になったりしたのをきっかけに「看護師になりたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。安定した職業につきたいという理由で目指す方もいるかもしれません。

2020年度の看護師国家試験では約6万人が合格しており、毎年多くの看護師が誕生しています。近年は男性看護師も増え、その数はここ10年で倍以上に増加しています。

看護師になるためには、試験に合格して資格を得なくてはなりません。今回は看護師を含む看護系の4つの資格について取得までの流れを解説します。また看護師のキャリアアップに役立つ資格・研修もご紹介します。

参考:厚生労働省「第107回保健師国家試験、第104回助産師国家試験及び第110回看護師国家試験の合格発表」/公益社団法人 日本看護協会「保健師,看護師,准看護師(男性,年次別・就業場所別)」


看護職の資格は全部で4種類

看護職と呼ばれる資格には、看護師・准看護師・保健師・助産師の4種類があります。

医療機関等で看護職として働くためには、いずれかの資格を取得しなくてはなりません。それぞれの資格についてどのような仕事を行うのかや資格取得までの流れなどの概要を説明します。


看護師

看護師は怪我をした人や病気の人、妊産婦が療養する上での世話をしたり、診療時に補助をしたりする仕事です。准看護師と対比する形で「正看護師」と呼ばれることがありますが、正式な名称ではありません。

看護師の活躍の場は病院や診療所のほか、介護施設や障害者施設、企業などさまざまです。訪問看護ステーションなどの事業所を自ら立ち上げ、経営者になる人も珍しくありません。

看護師の資格を得るためには、国家試験に合格する必要があります。誰でも受験できるわけではなく、いくつかのルートを経て受験資格を得た人だけが受験可能です。


看護師になるまでの流れ 参考:公益社団法人 日本看護協会「看護職を目指す方へ」

大学や短大、専門学校へ進学して受験資格を得るのが一般的ですが、最短で看護師になれるのは中学校卒業後に養成校に入るルートです。

中卒・高卒のタイミングを逃したら看護師になれないというわけではなく、社会人になってから改めて看護師養成校へ入学し、資格取得を目指す人もいます。

看護師を目指す方は以下の記事も参考にしてください。
看護師の国家試験の難易度とは?試験内容や受験資格について解説!
看護師になるには大学と専門学校どっちに進学するべき?それぞれの違いやメリットを解説!
社会人経験者が看護師になるには?あなたの夢をかなえるためのステップを公開!
看護師になるための費用はどのくらい?必要な費用と利用できる制度を紹介!


准看護師

准看護師は看護師資格と違い、国家資格ではなく都道府県知事が認定する資格です。同じ看護職ではあるものの、業務にあたっては「医師・歯科医師又は看護師の指示を受けて行うもの」と定められています。


准看護師になるまでの流れ 参考:日本准看護師連絡協議会「准看護士になるためには」

准看護師の資格は最短で中卒から、履修期間は2年で取得ができるため、学費を抑えて早く働くことができます。

しかし近年、准看護師を目指す人や養成校は減少傾向にあり、准看護師から看護師を目指す人も多いです。准看護師から看護師になるには看護師養成校を卒業し、看護師国家試験に合格する必要があります。看護師になるのに係る期間は、全日制・定時制・通信制のどれを選ぶのかによって異なります。

詳しくは以下のページからご確認ください。
公益社団法人 日本看護協会「准看護師が看護師資格を取得するには?」


保健師

保健師は、住民の健康づくりに関わる保健活動を行うことが主な仕事です。自治体が行っている母親学級や乳幼児健診、成人向けの検診や保健指導、介護予防のための施策などに関わっています。企業などに勤めながら、会社員の健康づくりに関わっている人もいます。

保健師の資格を得るためには、定められた科目を履修して受験資格を得る必要があります。


保健師になるまでの流れ 参考:公益社団法人 日本看護協会「看護職を目指す方へ」

保健師の試験を受験するには看護師国家試験への合格が条件となっているため、保健師の資格だけを得るということはできません。

すでに看護師免許を持っている方は、養成所等で必要な教育を受けて国家試験に合格すれば、保健師免許を取得できます。

これから看護師を目指す方は、保健師の教育プログラムがある大学や専門学校であれば、看護師と保健師の両方の受験資格を得られ、同じ年度で受験できます。ただし看護師国家試験に不合格だった場合、保健師試験に合格していても保健師免許を取得することはできません。

関連記事

保健師と看護師は何が違う?保健師の資格の取り方や魅力を徹底解説

助産師

助産師は出産時の介助を行う人というイメージを持っている方が多いかもしれませんが、実は幅広い役割を担っています。

妊産婦のケアや必要な指導、産婦と子どものケア、思春期や更年期のトラブルへの対応など、女性の一生涯に関わる職種です。病院に勤めるだけでなく、自ら助産院を開業して妊産婦のケアにあたる人もいます。

助産師の資格を得るためには、必要な科目を履修して受験資格を得なくてはなりません。


助産師になるまでの流れ 参考:公益社団法人 日本看護協会「看護職を目指す方へ」

保健師と同様、助産師も看護師国家試験の合格が受験の条件となっており、助産師資格のみは得られません。

大学で必要なプログラムを受けて、助産師と看護師両方の国家試験の受験資格を得ることは可能です。


看護師のキャリアアップに役立つ資格

看護師の資格を取得したら終わりではなく、看護師としてキャリアアップを目指すときに役に立つ資格もあります。資格の種類は幅広く、目指すキャリアによっても必要な資格は異なります。

経験を積む中で目指すキャリア像が変わるケースも珍しくないので、自身の関心や価値観、仕事内容などを考慮して取得する資格を検討すると良いでしょう。

ここでは看護師のキャリアアップに役立つ資格として、主に日本看護協会が設けている資格認定制度についてご紹介します。医療の専門化・高度化が進む中で、特定の分野やスキルに特化した看護師のニーズは高まっています。

就職時に評価される場合もあるので、将来のキャリアプランの参考にしてくださいね。


認定看護師

認定看護師は、特定の分野において熟練した看護技術と知識を使って、水準の高い看護が提供できると認定された看護師です。現場で看護を実践するだけでなく、同じ看護職に対して指導をしたり、相談役となったりする大切な役割があります。

認定看護師は2026年度までは下記の21分野で養成が行われます。

救急看護、皮膚・排泄ケア、集中ケア、緩和ケア、がん化学療法看護、がん性疼痛看護、訪問看護、感染管理、糖尿病看護、不妊症看護、新生児集中ケア、透析看護、手術看護、乳がん看護、摂食・嚥下障害看護、小児救急看護、認知症看護、脳卒中リハビリテーション看護、がん放射線療法看護、慢性呼吸器疾患看護、慢性心不全看護

2020年度からは2015年度より行われている特定研修制度と統合され、新たに分類された19分野で教育が始まります。

感染管理、がん放射線療法看護、がん薬物療法看護、緩和ケア、クリティカルケア、呼吸器疾患看護、在宅ケア、手術看護、小児プライマリケア、新生児集中ケア、心不全看護、腎不全看護、生殖看護、摂食嚥下障害看護、糖尿病看護、乳がん看護、認知症看護、脳卒中看護、皮膚・排泄ケア

資格取得には5年以上の実務研修(うち3年は認定看護分野での実務研修)が必要で、指定された教育機関でカリキュラムを受講しなくてはなりません。受講後は認定審査を経て認定証が交付されます。また認定証が交付された後は5年ごとに更新が必要です。

2020年12月末時点で全国の認定看護師数は21,847名で、最も多い分野は感染管理です。次いで皮膚・排泄ケア、緩和ケアとなっており、もっとも少ないのは不妊症看護です。

資格取得後はその知識やスキルを活かして医療機関で働くほか、資格を取得した分野によっては介護施設や訪問看護ステーションなどでも活躍できます。

参考:公益社団法人 日本看護協会「認定看護師」/「日本看護協会の資格認定制度について」


専門看護師

専門看護師は、専門分野の知識・技術を深めて、患者や家族に起きている問題を捉えたうえで、水準の高い看護が提供できる看護師です。現場での看護実践や教育、相談に加え、専門職間の調整や研究なども役割に含まれます。

専門看護分野として特定されているのは以下の13分野になります。

がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性・重症患者看護、感染症看護、家族支援、在宅看護、遺伝看護、災害看護

専門看護師になるためには、看護系大学院の修士課程を修了し、日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得していなくてはなりません。さらに通算5年以上の実務研修(うち3年以上は専門分野での実務研修)が必要です。

その上で書類審査・筆記試験による認定審査が行われ、認定後も5年ごとの更新が求められます。医療機関や訪問看護ステーション等で働くほか、大学で教育に携わっている人もいます。

2020年12月末時点で全国の専門看護師数は2,733名と認定看護師数よりもはるかに少なく、看護師の中でも希少な存在です。現場実践だけでなくマネジメントにも関わるため、組織全体を支える専門的な存在であるといっても良いでしょう。

参考:公益社団法人 日本看護協会「専門看護師」/「都道府県別専門看護師登録者数」


認定看護管理者

認定看護管理者は、看護師長や看護部長などの管理者向けの資格です。管理者として優れた資質を持っており、組織を創造的に発展させていけると認められた看護師です。

5年以上の実務経験を経た上で、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 認定看護管理者教育課程(180時間)を受講していること
  • 看護管理を専攻し修士号を取得+修士課程修了後の実務経験が3年以上あること
  • 師長以上の管理経験が3年以上+看護管理を専攻し修士号を取得していること
  • 師長以上の管理経験が3年以上+管理に関連する学問領域の修士号を取得していること

そして、認定看護管理者認定審査に合格すると資格取得ができます。認定看護師・専門看護師と同様、認定を受けた後は5年ごとの更新が必要です。

2020年12月末時点で全国で4,551名が認定されており、管理職として人材育成や組織管理などに携わっています。

参考:公益社団法人 日本看護協会「認定看護管理者」/「都道府県別認定看護管理者登録者数」


特定行為研修制度

特定行為研修制度は2015年から始まった制度です。資格を認定する制度ではありませんが、受講すると従来は医師しかできなかった特定行為の実施が可能になります。

特定行為とは専門的な知識・技術を身につけた看護師だけが、医師・歯科医師の手順書をもとに実践できる38の医療行為です。

研修を受ければ、たびたび医師に確認することなく、スムーズにケアを進められるようになり、活躍の場は広がるでしょう。

2021年4月時点の研修修了者は3,307人です。在宅医療などの場面においては、医師の指示をすぐに得られない時も少なくありません。まだ少数ではありますが、今後よりニーズが高まると予測されます。

特定行為研修制度については次の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
看護師ができる特定行為とは?特定行為研修の概要や特定看護師になるメリットを解説!

参考:公益社団法人 日本看護協会「看護師の特定行為研修制度」/「特定行為に係る看護師の研修制度の活用推進」


その他の資格

日本看護協会が認定する資格以外にも、キャリアアップに役立つ資格はたくさんあります。その一部をご紹介しましょう。

資格 認定している学会等 概要
消化器内視鏡技師 日本消化器内視鏡学会 医師の監督・指示のもとで消化器内視鏡業務を行える。
呼吸療法認定士 日本胸部外科学会、日本呼吸器学会、日本麻酔科学会 酸素療法や人工呼吸などの呼吸療法の実施や、それに必要な機器の管理などを行う。
循環器専門ナース 臨床心臓病学教育研究会 心臓の解剖生理から循環器治療の動向など、循環器に関する知識を深く学べる研修。修了後に認定試験を受ければ資格が得られる。
精神科認定看護師 日本精神科看護協会 精神科分野において優れた看護技術・知識を使い、質の高い看護を実践できる看護師の養成、看護ケアの質の向上を目的とした制度。
介護支援専門員
(ケアマネジャー)
介護保険法により、都道府県知事が認定 介護サービスを支える重要な役割を持つ職種。サービスを受けるために必要なケアプランを立案したり、関係機関との調整を行ったりする。

これらの資格を取得すると、その分野の知識が深まり、看護師としてのスキルを向上させられます。職場によっては資格取得を補助する制度もあるので、就職時に確認しておくと良いでしょう。


まとめ

看護職の資格には看護師を含め4つの種類があり、免許の種類や仕事内容が異なります。資格取得までにかかる時間や費用などもそれぞれ異なるので、将来の働き方はもちろん、ご自身の状況なども踏まえて選択すると良いでしょう。

免許を取得して働き始めてからも、働く職場や分野によっては新たな資格取得が役に立ちます。資格取得までの過程で知識やスキルが身に付き、キャリアアップへもつながるため、タイミングを見て取得の検討をおすすめします。

看護師資格の取得はゴールではなく、スタートです。どの資格が自身のやりたいことに向いているのか、取得後はどのように働きたいかなどを考えながら、目指す資格を決めてみてはいかがでしょうか。


ライター 小松亜矢子
地域看護に関心のあるライター。看護師の資格を持ち、地域でコミュニティナースとして活動中。


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