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保健師と看護師は何が違う?保健師の資格の取り方や魅力を徹底解説

  • 業界・資格ノウハウ

目次

新型コロナウイルス感染症に関連する報道で、「保健師」という仕事を初めて知った方や、保健師の仕事に興味を持たれた方もいるでしょう。しかし看護師と保健師の違いや、保健師の仕事内容を知らない人は意外と多いです。

この記事では看護師と保健師の違いから保健師として働くメリットまで、保健師にまつわる情報をわかりやすく解説していきます。

保健師の仕事に興味がある方、キャリアアップして保健師を目指したい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。



看護師と保健師の違い

看護師と保健師は専門的な知識をもち、患者さんに寄り添う姿をみると、似たような仕事をしているように感じるかもしれません。しかし、2つの仕事にはさまざまな違いがあります。ここでは、看護師・保健師の違いについて、解説していきます。


看護師とは

看護師は看護職の中でも代表的な資格で、「子どものなりたい職業」「親が子どもに将来なってほしい職業」の上位にもランキングされる人気の職業です。

医師などと連携しながら、病気やけがをしたの人の治療・療養がうまく行くように、心・体・環境などさまざまな面からケアするのが主な仕事です。勤務先としては、病院やクリニックなどの医療機関、訪問看護や福祉施設などが挙げられます。

患者さんの症状がよくなり、元気になる姿を近くで見られる、やりがいの大きな仕事です。


保健師とは

保健師の仕事は「すべての人が、健康な生活を送れるように保健活動を行う」ことです。

看護師の仕事のステップアップとして、資格取得を目指す人が多く、子どもから大人まで幅広い年代の人に携わることができます。具体的な業務には以下のようなものがあります。

  • 保健センターなどの公的機関で乳幼児健診・母親学級などを実施する
  • 生活習慣病予防対策や検診を通して、地域住民の健康づくりをサポートする
  • 高齢者などの自宅療養者の家庭訪問を通して、地域の介護予防に取り組む
  • 働く人たちの健康相談や、健診結果に基づいた保健指導・環境調整をおこなう

つまり、看護師は「病気やけがをした人の看護」が業務の中心であるのに対し、保健師は「病気にならないよう、健康的な生活を送るための予防的なケア」が主な業務であるという違いがあるのです。

また給与にも少し差があります。令和2年賃金構造基本調査によると、看護師の平均給与は309,100円、保健師の平均給与は290,400円で看護師の方が2万円ほど多い結果となっています。

看護師の仕事内容について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
看護師の仕事内容とは?勤務体制や勤務先選びでの注意点についても解説!

参考:公益社団法人 日本看護協会 「看護職とは」/厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」



保健師にはどうやってなるの?

保健師になるには1年以上の保健師教育を受けて、保健師の国家試験に合格する必要があります。保健師国家試験の受験資格を得るルートは以下の2つです。

  • 看護師の資格の取得後、保健師を養成する専門学校・短大・大学院に通うルート
  • 4年制看護大学や専門学校で看護師と保健師について学び、2つの国家資格取得を目指すルート

保険師になるまでの流れ 参考:公益社団法人 日本看護協会「看護職になるには」

ここからは、保健師になるためのポイントを解説します。


保健師になるには看護師の資格が必須

前提として保健師になるには、看護師資格を持っている必要があります。

看護師資格を持っている、もしくは看護師国家試験合格見込みでなければ、保健師養成学校に入学できません。保健師国家試験の受験資格も同様です。

保健師になりたくて看護師資格をもっていない人は、まず看護師資格の取得から目指しましょう。

看護師資格の取得方法や国家試験に関して、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
看護師になるために必要な資格とは?資格の種類や取得方法について解説!
看護師の国家試験の難易度とは?試験内容や受験資格について解説!


看護師と保健師、ダブル受験で同時取得も可能?

看護師・保健師の国家試験をダブル受験し、資格を同時取得することは可能です。

同時取得するには4年制の看護大学や専門学校で、看護師と保健師になるための教育を受けます。さらに、看護師国家試験の合格を前提として、同時期に行われる保健師国家試験にも合格する必要があります。

看護師と保健師のダブル受験は、国家試験の学習範囲が広くなるため、とても大変です。

またダブル受験をして、看護師国家試験が不合格だった場合、保健師の試験に合格していたとしても、保健師免許を取得できなくなってしまうため注意してください。

現在、多くの看護学校では、保健師のカリキュラムは選択制になっています。成績上位者や選抜試験合格者など、一部の学生しか保健師のカリキュラムを選択できない学校が増え、条件が厳しくなっています。

そして保健師のカリキュラムを選択すると、看護師カリキュラムに保健師の講義と実習も追加されるため、スケジュールがハードになります。

看護師と保健師のダブル受験は、大変な面もあることを知っておきたいですね。


通信教育でも保健師を目指せる?

結論からいうと、通信教育で保健師の資格を取得することはできません。保健師の資格を取得するには、指定された保健師養成学校で、決められた時間数のカリキュラムを学ぶ必要があります。

さらに、実際の保健師の指導・教育活動について学ぶ、「臨地実習」も行わなければなりません。さまざまな理由から、保健師の資格を通信教育で取得することはできないのです。

参考:保健師助産師看護師学校養成所指定規則


保健師になるには「大学院」がおすすめ

保健師になるための教育について、一般社団法人 全国保健師教育機関協議会は、「社会のニーズに答える、質の高い保健師を育成するためには、大学院での2年間の教育が必要」としています。

大学院の教育では、2年間をかけて実践的な学習と臨地実習を積み重ね、すべての人の健康問題に対応できる知識と技術を養うことができます。大学院修了者の知識の豊かさは、国家試験の合格率からも明らかです。

2020年度に行われた第107回保健師国家試験では、大学院修了者の合格率は100%と、全体の合格率94.3%を大きく上回りました。

看護系大学や専門学校で学べば、大学院よりも短期間で保健師資格を取得することもできますが、より高いレベルの知識や実践力を身につけた保健師になりたい方は、ぜひ大学院への進学を検討してみてくださいね。



保健師国家試験って難しい?

保健師になるためには、例年2月に行われる保健師国家試験に合格しなければなりません。では、保健師国家試験はどのくらい難しいのでしょうか?過去の国家試験の合格率から、考えていきます。


保健師国家試験の合格率

過去、5年間の保健師国家試験の合格率は以下のとおりです。

年度/回数 合格率
2016年度 第103回 90.8%
2017年度 第104回 81.4%
2018年度 第105回 81.8%
2019年度 第106回 91.5%
2020年度 第107回 94.3%

保健師国家試験は、例年受験者の80%以上が合格しています。2020年度の合格率は94.3%で、国家試験のハードルはあまり高くないといえるでしょう。


合格のポイント

保健師国家試験に合格するためには、厚生労働省が決めたボーダーライン以上の得点をとる必要があります。

2020年度第107回保健師国家試験は142点満点で、ボーダーラインは86点以上でした。ボーダーラインは毎年変動しますが、例年60%以上の正答率が、合格の目安となっています。

得点の配分は一般問題が1問1点、状況設定問題が1問2点です。状況設定問題を間違えてしまうと、得点への影響が大きいため注意が必要です。

苦手な分野は繰り返し勉強して、実力をつけ、国家試験合格を目指しましょう。試験当日に向けて、生活リズムや体調を整えることも忘れないようにしてくださいね。

参考:厚生労働省「第107回保健師国家試験、第104回助産師国家試験及び第110回看護師国家試験の合格発表」



保健師として働くメリットとは?

看護師だけでなく、保健師の資格も取得することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは保健師として働くメリットを紹介します。


働く場所の選択肢が広がる

保健師は多くの人の健康を守るために、さまざまな場所で働くことができます。保健師の代表的な勤務先は以下の通りです。

  • 行政保健師:市区町村(保健所・保健センター)などの公的機関で働く
  • 産業保健師:企業で働く人の健康管理やメンタルヘルスのサポートを行う
  • 学校保健師:学校で児童・生徒・教職員の健康保持活動を行う
  • 病院保健師:病院やクリニックの検診センターなどで、保健指導や入院患者の退院支援や療養相談を行う

保健師のなかでも、公務員として市区町村や都道府県などの行政関係の施設で勤める人が約7割と多くを占めています。また、企業・学校・病院・介護施設で働く保健師も少なくありません。

そのほか、保健師養成学校の教員として指導をしたり、国際協力機構(JICA)に所属し海外で保健指導を行ったりすることもできます。

キャリアアップの幅が広がるだけでなく、ライフステージに合わせて活躍の場を選ぶことができるのも保健師の魅力です。


夜勤はない

保健師の仕事である健康相談や検診、予防教育活動は日中に行われることが多く、基本的に夜勤はありません。また、残業も病院で働く看護師に比べると少ないでしょう。

夜勤が苦手な人や規則正しい生活リズムを保ちたい人、ワークライフバランスを大切にしたい人にとって、保健師は働きやすい仕事です。


安定して働ける

令和2年賃金構造基本統計調査によると、保健師の平均給与はおよそ29万円となっています。保健師に多い女性の平均給与は約25万円であるため、平均より高い傾向にあるでしょう。

保健師の就業場所の割合として多い行政機関では、長く勤めることで給料アップが見込めます。休暇や福利厚生などの待遇も手厚いでしょう。

また、保健師の求人倍率は高い傾向が続いており、資格があれば日本のどこでも働けるので、就職もしやすく安定して働くことができます。

参考:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」 / 「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」



まとめ

今回は「保健師」についてさまざまな角度から解説しました。

保健師になるには、看護師資格が必要です。保健師教育も受けるため、ゼロから目指すには4年以上かかります。しかし、保健師国家試験の合格率は毎年高く、きちんと勉強すれば資格取得は決して難しくないでしょう。

保健師は子どもから大人まですべての人の健康を守る、やりがいのある仕事です。活躍の場は、地域や行政だけでなく、学校・企業などさまざまな場所があります。また、夜勤は無いことが多く、働きやすいかつ将来性も見込める安定した職業です。

「健康を守る仕事」をしたい人に、保健師はおすすめです。ぜひ保健師の資格取得を目指してみませんか?


ライター 小田あかり
大学看護学部卒業後、小児科・腎臓内科・循環器の最前線で勤務。現在も看護師として働きながら、ライターとしても精力的に活動中。保健師、呼吸療法認定士、糖尿病療養指導士の資格も持つ。


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