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看護師の仕事を辛いと感じるのはあなただけじゃない!辛くなる原因を解説

  • 業界・資格ノウハウ

目次

国家試験に合格し、あこがれの看護師として働く毎日。辛い、辞めたい...そんな気持ちになったことは一度もないという看護師は、いないのではないのでしょうか。

なぜ看護師は自ら憧れ、責任と信用のある仕事をしているのに「辛い」と感じてしまうのでしょう。この記事では看護師が辛いと感じる原因と理由について、現役看護師がわかりやすく解説していきます。


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看護師の仕事を辛いと感じている看護師は多い

看護師として働いていると、こんなふうに思うことはありませんか?

「仕事ができない」「未熟だから迷惑をかけてしまう」「先輩や上司と上手くやっていけない」――。

仕事へのネガティブなこのような思いを抱えていると、看護師の仕事がどんどん辛くなってしまいます。

辛い気持ちや経験を繰り返していると、人の心理的な反応として、逃げたい・休みたい・辞めたい、最悪の場合「死にたい」という所まで追い詰められてしまうこともあります。


半数以上の看護師が仕事や人間関係に悩んでいる

多くの看護師が仕事に悩みや不安を抱えています。

日本看護協会が行った「2017年 看護職員実態調査」によると「勤務先での仕事や人間関係について悩みや不安を感じる」と回答した看護師が53.3%を占めました。特に年齢が低い看護師ほど、勤務先での仕事や人間関係に悩みを抱える傾向があるようです。


「辛い」「辞めたい」と思う看護師はどうなっていくのか

日本看護協会が行った「病院看護実態調査」では、新卒採用者の離職率は全国平均で8.6%。つらい・辞めたいと思う看護師のうち、約10%前後が離職することがわかっています。

再就職をする看護師も一定数存在しますが、その一部はニュースでも話題となっている潜在看護師になります。その数は、看護師・准看護師全体の約30%、全国に70万人以上いると言われています。

潜在看護師が年々増加する背景には、結婚や子育て・介護などの女性特有のライフイベントが考えられます。同時に、看護師時代の辛い思いや経験が少なからず影響を与え、潜在看護師が増加している可能性も考えられるのです。

潜在看護師についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
潜在看護師への就職準備金支給、申請期日12月27日|業界ニュース

参考:厚生労働省「看護職員の現状と推移」


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「辛い」理由は人それぞれ

では、看護師はどのようなことを辛いと感じているのでしょう。新型コロナウイルスの影響も受ける中、看護師が辛いと感じることを紹介していきます。


新人特有の悩み

看護師人生の中で「一番辛い」と感じる場面が多いのが新人・1年目の時期です。

看護学校で経験したこと、国家試験の為に勉強したことが全然役に立たない。何をしてもうまくいかない、怒られる、否定される。先輩や同期と関係性が築けない――。毎年のように全国の新人看護師が辛いと感じています。


看護師としての責任

看護師として働いていると、たった1つの判断や行為の誤りが、患者さんの病状を左右してしまうことがあります。

看護学生時代に思っていたよりも、「命を預かる」責任をとても重く・強く日々感じることでしょう。目に見えない「責任」に押しつぶされそうになってしまい、その辛さに耐えられなくなってしまう新人看護師も少なくありません。

経験が長くなり、臨床経験が豊富な看護師でも責任は感じています。ただ、今までの経験や知識が自身を強くし、少しだけ辛く感じにくくなる、辛い気持ちを乗り越えられるスキルを身につけられるようです。


職場の人間関係

職場の人間関係さえ上手くいっていれば、ある程度の辛いことは乗り越えられると言っても過言ではないくらい、とても重要なポイントになる人間関係。上司・後輩・プリセプター・プリセプティ・同期に代表される看護師同士の関係性だけではありません。医師やコメディカルとの関係性も大変重要です。

最近では「同期ガチャ」「上司ガチャ」「配属ガチャ」という言葉も出てきています。カプセルトイのガチャガチャになぞらえ、自分では決められない、運次第の要因で自分の人生が左右されてしまう状況を表している言葉です。

ガチャで外れる=望まない状況に置かれていると感じると、辛くなる人が多いようです。


患者やその家族、同僚からの精神的な攻撃

職場の人間関係にも重なりますが、看護師を対象とした「勤務先や訪問先で過去一年間に暴力・ハラスメントを受けたことがあるか」という調査で、「精神的な攻撃を受けた」と回答した看護師が 31.5%もいました。

精神的な攻撃は、仲間であるはずの職場の同僚から受けたと回答する人が多く、次いで患者の家族から受けた人もいるようです。

生死に関わる看護師の現場は、常に高い緊張状態にさらされています。こうした環境が、思わぬハラスメントを生み、看護師の心をすり減らしていることがうかがえます。

参考:公益社団法人 日本看護協会「2017 年 看護職員実態調査」


不規則な勤務

病棟看護師の勤務で一番辛いのは夜勤です。

最近では2交替制の勤務も増えてきましたが、ずっと規則正しい生活を送ってきた人にとって、夕方から翌朝まで緊張感を持って仕事をするのは、身体的にも精神的にもとても負担の大きいものになります。

3交替制では、日勤→深夜勤、準夜勤→日勤のように、勤務の間に十分な休息が取れないシフトもあります。

さらに、夜勤中には十分な休憩や仮眠が取れない、翌朝勤務終了時間に仕事が終わりきらず帰宅できないことも少なくありません。生活リズムの乱れから体調を崩したり、不眠・集中力が低下したり、結果として心も体も辛くなってしまうのです。


新型コロナウイルス感染症関連

「看護師として働く」「新型コロナウイルス感染症患者と接する」というだけで、周囲から心無い声をかけられ、今まで経験したことのないような差別や偏見による、辛い経験をしています。

これは日本看護協会の調査からも明らかで、感染拡大の影響により20.5%の看護職員が差別・偏見があったと回答しています。

さらに家族や周囲の人に感染させてしまうのではないか、自分も感染してしまうのではないか...、という未知の感染症に対するストレスもとても辛いものがありますよね。

どうしてもその辛さに耐えられず、離職する看護師は後を絶たないのです。

参考:公益社団法人 日本看護協会「看護職員の新型コロナウイルス感染症対応に関する実態調査 【個人】」


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看護師が辛いときにできること、おすすめすること

看護師の仕事が辛いときには、どうしたらよいのでしょうか。

ここでは辛いときに一番おすすめする方法ではなく、辛いと感じたときに気軽に取り入れられる方法をいくつかご紹介します。


辛い気持ちを認める

まずは「辛い」と感じている自分を認め、労わってあげましょう。

何に対して「辛い」と感じるかは人それぞれ。同じ状況や言葉でも、自分の心身の状態によって感じる辛さは異なることも忘れてはいけません。

辛い状況が続き、心身ともに負荷がかかった状態が続くと、自分を守るために「辛い」という感覚を感じないようになってしまいます。「辛いと感じないから大丈夫」と思っている間に、ココロもカラダも疲弊し、鬱状態になったり、希死念慮を抱いたりする危険性も潜んでいます。

まずは、辛いと感じる自分を一番大切にすること、辛いと感じている自分を認めること。それだけで、少しだけ辛い気持ちも楽になりますし、最悪の状態の一歩手前で踏みとどまることができるのです。


休息をとる

心身ともに辛いときには、休息をとることが大切です。

公休日だから休むのではなく、本当に辛いときには上司に相談してお休みをもら貰いましょう。上司に休みたいと言い出しにくいのであれば、産業医や職場のメンタルヘルス担当者に相談する方法もあります。

でも、「休んだら迷惑がかかる」「休み明けに出勤しにくい」とも思ってしまいますよね。そう思って辛い気持ちを抱えたまま無理をして、働きたくても働けないくらいに体調を崩してしまっては、どうにもなりません。

いつもよりも辛い気持ちが強い、出かけることができない場合には、辛い気持ちに寄り添い休息をとるようにしたいですね。


環境を変える

人間関係や職場環境、診療科など、自分の努力ではどうにも辛い状況を改善できない場合には環境を変えることも大切です。

部署移動では病棟間の移動だけでなく、病棟から外来に移動することで業務も生活リズムも大きく変化します。その結果、辛い状況が改善され看護の仕事を楽しむことができるようになる人もいます。

そして、どうしても辛い場合には退職するのも1つの手段です。退職したからと言って、看護師として同じ環境に再就職する必要はありません。潜在看護師が増えているように、看護師の知識や経験・資格を活かし、医療系ベンチャーや出版社などで看護・医療に関連する仕事に就いている人もいます。

看護師の資格を持ちながら異業種で働く人が、実はたくさんいます。病院で働けない・上手くいかなかったから人生終わりではありません。

環境を変えた先に、あなた自身が辛い気持ちを持たずに、充実して取り組める「何か」がきっと待っています。

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まとめ

看護師は「患者さんの辛さ」に気付き、親身になって寄り添うことが得意です。しかし、同僚や自分自身のこととなると、鈍感になる傾向があります。

辛いと感じるのは決して間違った感情ではありません。辛いと思う理由や環境など原因は多様に存在しますし、感じ方や心身への影響は人それぞれです。

あなたが辛いとき、一番の理解者は自分自身です。

辛い気持ちのすべてが解決する訳ではありませんが、自分の気持ちや感情から目を背けず、自分自身を大切にしてあげると、辛さを解決する糸口が見えてくるかもしれません。



ライター 小田あかり
大学看護学部卒業後、小児科・腎臓内科・循環器の最前線で勤務。現在も看護師として働きながら、ライターとしても精力的に活動中。保健師、呼吸療法認定士、糖尿病療養指導士の資格も持つ。


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