看護師で年収1000万円を得ることはできる？年収アップのためのポイントを解説

看護師という職業には、一般的に「社会的意義が高く需要が安定している、給料の高い職業」というイメージが根付いています。現役で看護師として働いている方のなかには、「年収1000万円を目指したい」と考える方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、「看護師で年収1000万円を得ることは可能なのか」という疑問にお答えします。年収アップのポイントも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

看護師で年収1000万円は可能？

結論から述べると、看護師として年収1000万円を稼ぐのは不可能ではないでしょう。しかし、決して簡単にできるわけではありません。

厚生労働省が発表した2019年の「賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均月収・ボーナス額は以下の結果となりました。

• きまって支給する現金給与額：33万4,400円
• 年間賞与その他特別給与額：81万6,300円

参考：令和元年賃金構造基本統計調査｜厚生労働省

このデータから計算すると、看護師の平均年収は次のように計算できます。

（33万4,400円×12ヵ月）＋81万6,300円＝482万9,100円

年収1000万円を稼ごうと思うと、現段階の年収約483万円の倍以上を目指さなければなりません。

上記データだとボーナス額が月収の約2.5倍なので、年収1000万円にするための必要月収額を算出すると、次のとおりです。

このように、年収1000万円を目指すには月収70万円ほどが必要になります。

しかし、転職サイトなどを見るとわかりますが、月収70万円を超える求人はほとんどありません。そのため、年収1000万円を達成するには、次のような方法が考えられるでしょう。

詳しくは次で紹介するので、しっかりと押さえておきましょう。

看護師の平均給与や初任給について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

看護師の年収は高い？平均年収と月給・ボーナス・手当の内訳を解説！
看護師1年目の初任給・手取り・ボーナスはいくらもらえる？学歴や病院によって年収はどれくらい違う？
看護師はボーナス(賞与)を手取りでいくらもらえる？都道府県や年齢ごとに紹介！

看護師が年収1000万円を得るための方法

さっそく、看護師が年収1000万円を得るための方法を確認していきましょう。ここでは4つの方法を紹介します。

より経営に近い役職に就く

一般の病院で働いて年収1000万円を狙うなら、役職に就くことは欠かせません。

看護師の役職としては「看護主任」「看護師長」「看護部長」などが挙げられます。このうち、年収1000万円の可能性があるのは、看護部長などの病院の経営に近い役職です。

ただし、役職に就いたからといって年収1000万円を超えられるとは限りません。病院の規模や病院ごとに定められている基準によって、給与額はさまざまだからです。

例えば、日本看護協会が発表した「2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書」のデータによると、看護部長相当職の基本給月額、管理職手当、賞与の平均は以下のとおりです。

出典：日本看護協会「2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書」

このデータから計算すると、看護部長相当職の年収平均額は759万6,949円となります。 これはあくまで平均値なので、年収1000万円を稼ぐことも不可能とはいえませんが、基本的に病院勤務の看護師では難しいと考えたほうがよいでしょう。

給与水準の高い一般企業に就職する

医療機器メーカーなど、看護師が活躍できる一般企業に就職するというのも、年収1000万円を目指せる方法の一つです。外資系企業であれば給与水準も高いため、可能性は高まるでしょう。

ただし、このような企業はそもそも求人の数が極端に少ない傾向があります。また、ビジネスレベルの英語が必要であるなど、看護師としてだけではなく"ビジネスパーソン"としての優秀さが求められます。

【関連記事】
看護師の勤務先の種類を解説！病院・クリニック以外でも活躍できる看護師の働き方

副業をする

収入を増やすという意味では、副業をして本業以外の収入を得るのも、年収1000万円を目指す方法の一つです。看護師の副業としては、他病院でのアルバイトのほか、医療系ライターやブログ執筆などが挙げられます。

本業の勤務時間外でも働くことになるため、精神的にも体力的にも負担はありますが、うまくいけば年収1000万円を実現できる可能性はあるでしょう。

ただし、先ほど算出した看護師の平均年収が約483万円なので、管理職ではない場合は副業で500万円以上稼がなくてはなりません。冷静に考えて、副業をしたとしても年収1000万円の難易度は高いといえそうです。

また、公務員看護師であれば副業が法律によって禁止されているため、この方法はNGです。民間の病院でも副業が禁止されていることがあるので、注意してください。

看護師の副業について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

看護師におすすめの副業4選！ダブルワークで時間の有効活用＆収入アップ！

資産運用・投資を行なう

公務員看護師や副業禁止の病院で働いている場合、看護師としての給与しか得ることができないかというと、そういうわけではありません。資産運用は、副業禁止の職場でも取り組むことのできる収入アップの方法です。

株式・国債・不動産・投資信託・FXなど、このほかにも投資対象はさまざまあります。インターネットでも情報を得ることができるので、興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか。

ただし、資産運用は貯金を減らしてしまう可能性もあります。リスクとリターン、手法をきちんと調べてよく検討したうえ、行なうようにしてください。

金融庁「投資の基礎知識」
金融庁「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください！」

給与水準の高い看護師の勤務先

年収アップを狙いたいのであれば、給与水準の高い勤務先で働くことも選択肢の一つです。

ここでは、年収1000万円が稼げるかどうかは別として、一般的に給与水準が高く設定されている看護師の勤務先を紹介します。

ICU

ICU看護師は、一般的な病院勤務の看護師よりも給与水準が高くなります。具体的には、基本給月額の平均は35万5,000円、年収としては550万円ほどです。一般病院勤務の看護師と比較して夜勤が多い傾向があるため、その分給与水準も高いといえます。

また、一般病棟では扱わない医療機器を使い、重度の患者さんに対応することもあります。そのため、病院によっては「特殊業務手当」が付くこともあるでしょう。

美容クリニック

美容クリニックは、一般的な病院よりも給与水準が高いといわれています。そのうえ、クリニックによっては歩合制の報酬も受け取れるケースがあるようです。

例えば、美容クリニックでは脱毛やシミ取りなどの施術と併せて、化粧品や契約期間の延長をおすすめすることがあります。こういった営業が購入や契約につながれば、その利益の一部が報酬として上乗せされる仕組みです。

営業成績が良いほど収入は上がっていくため、場合によっては年収1000万円も狙えるかもしれません。

夜勤専従

転職などをしなくても実践しやすいのが、夜勤の回数を増やす・夜勤専従になる方法です。深夜勤務では深夜割増賃金となるため、日中に働くよりも1時間あたりの給与金額が1.25倍以上に上がり、夜勤手当も付きます。

ただし、看護師の夜勤は基本的に月72時間までと定められています。8時間勤務であれば9日までしか勤務することができません。また、希望どおりに夜勤シフトに入れるとは限らないため、思ったように稼げない可能性もあるでしょう。

まとめ

看護師の平均年収は約483万円であるため、年収1000万円を目指すには平均年収の倍以上を稼ぐ必要があります。役職に就くなどのキャリアアップを目指す、副業をするといった工夫をすれば、看護師で年収1000万円を目指すのは不可能ではありません。

年収1000万円には届かなかったとしても、高収入が期待できる職場で働くことで、理想とする暮らしに近づけるかもしれません。

難易度としてはかなり高いと思われますが、この記事を参考にして年収アップを重ね、少しずつ年収1000万円に近づきましょう。

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